歌丸さんと圓楽さんにみる友情

先日、桂歌丸さんが笑点の司会を引退されましたね。

子供のときから当たり前にそこにいた歌丸さんが笑点を去ったのは本当に悲しい気持ちになりました。私だけでなく、歌丸さんは放送1回目からの出演者ですので、みんなが子供の時や家族団らんのときを思い出し悲しい気持ちになったと思います。

 

 私が子供のとき、司会は先代の圓楽さん。今の圓楽さんは楽太郎さんでした。歌丸さんは楽太郎さんと並んで、大喜利の回答をしていました。

大喜利の最中は、ふたりでお互いの罵り合い。「腹黒い」「死人」などと笑顔で言い合います。そんなふたりのやり取りも、もうテレビでは見れなくなってしまいますね…。

 

引退の会見では歌丸さんを中心にメンバーみんなそろって回答していました。そんな中での圓楽さんの回答は、「長生きしてほしい」。しかも目を潤ませながら!

 

「年々舞台袖で見る背中が、小さくなってきた。そんな背中も舞台に立つとピシッとなる」と語る圓楽さん。一緒のお仕事では荷物を運ぶ人しかおらず、歌丸さんの車いすを押す人がいなかった為、圓楽さんが車いすを押したそうです。

 

普段あんなに「死ネタ」を言っている人が、私生活では車いすを押していただなんて!

 

実際には歌丸さんは10歳以上年上の先輩。そんな歌丸さんのことをネタにできるのは、「自分のことをネタにしていいから」という歌丸さんの優しい一言があったから。

 

私生活がのぞける訳ではありませんが、あの会見だけでもとても仲良しなんだな、ということが伝わってきました。年こそ違えぞ、友情を感じました。

 

当ブログでもたびたび友情ってなんなんだ!?と書いてきたかと思いますが、あんな風に年の差があると、上の立場の人が対等に扱ってくれる優しい人じゃないと友情は成り立たないような気がします。

 

あんな唯一無二という感じの存在が高齢になり、「体の限界」と言われる気持ちはどんなものなのでしょうか…。卒業や転職などで友人は離れ離れになってしまいますが、死という永遠の別れ…それも親友と呼べる人の…は、自分でも受け入れきれる気がしません。

 

圓楽さんじゃないけど、桂歌丸さんには本当に長生きして欲しい!